秘密基地づくり

再び、大学の授業から。

この日は、ダンボールを使った秘密基地づくり。コロナ禍で対面での授業がほとんどないこともあり、土曜日の校舎は空き教室がたくさんだったので、ゼミ室も含めて10教室に分かれて、3・4限の連続授業です。

でも、3時間あるはずの授業が過ぎるのはあっという間だったなあ。自分たちの作った何段もの棚とろうそく電球、2グループ合同基地。自分たちの名前をくりぬいた色画用紙。他の場所を回遊して楽しむグループ。

片付けの時間が来たので、一部屋ずつ回っていったけれど、「いやあ、今はまだ終われないでしょう~」というオーラに満ちているところばかりでした。なので、「ほらほら、急いで!」と伝えることなく、「〇〇時からレスポンスシートを書くからよろしくね」とだけ伝えて回りました。

あとからレスポンスシートを見ると、「急かされなかったのがよかった」という声がちらほら。秘密基地の出来よりも、「途中で終わりたくない子どもの気持ちがよくわかった」という声も。

この日、自分がうれしかったのは、片付けのことを伝えに行ったときの学生の子たちの聞き分けがよくなかったことかな。今の時代の大人のマインドとして知っておいてもらいたいのは、「子どもは聞き分けが悪くてもいいよね」ということ。終わりたくないのなんて当たり前。でも、そういう気持ちを知っているって、とても大切じゃない?

つい先日、テレビで放映していた映画『スタンドバイミー』では、数時間ではなくて、もっと長い時間を一緒に過ごして、ケンカして、仲直りして、慰めて、乗り越えて、深まっていく。そう考えると、たとえ映画のような経験はたとえ短くても、子ども時代には秘密基地って絶対に作っておくべきと思わない?

そこには、人が人と出会い、胸を熱くして共感や信頼するということを覚え、自分が自分の人生を生きる主人公であることを自覚して、一生の思い出をつくる土台となる時間がある。

幼児教育に携わる人が子どもと関わる前に、自分の実体験として感じておいてほしいこと。この授業はそのことを伝えるためにあるんだなと改めて思います。

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