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代表メッセージ
子どもにとって、「遊ぶ」ことは本能の営みであり、幸せな子ども時代の基本となるものです。子どもは、遊ぶ中で出会う身の回りの自然や生き物、人や社会、文化を通して、自らの生きている世界を学びます。その中で様々なことを試しながら、自分や他人のことを知ることができます。そうして、子どもは自ら身体や知性、社会性、創造性を成長させていくだけでなく、情緒を安定させていく力を持っています。
また、子どもにとって、遊ぶということは、自分の“今”を自分で決めることができる、生活や人生の歩みの上での重要な機会となります。それは、様々な理由で多くの時間を決められたスケジュール通りに過ごすように求められる子どもにとっては、特に貴重なものとなるでしょう。
子どもが遊びを取り巻く状況は、長年の社会問題であり、環境問題でもあります。国連子どもの権利条約第31条には、「遊ぶ権利」が謳われています。国連が2013年に発表した条文に関するジェネラル・コメントにも記されているように、「暴力や危険への不安」「競争」「急かされる学び」「商業主義への偏り」「情報・メディアの氾濫」など、日本社会にも豊かな遊び環境を阻害する数多くの要因が存在します。
私たち大人は、子どもが遊ぶ環境に対して様々な関わりを持っています。この関わりは、子どもの保護者、近所の人、研究者、行政、子ども施設、教育機関という立場はもちろん、子どもの健康や福祉・芸術・建築・道路・公園といった分野まで広がっています。ところが、ほとんどの大人が「子どもにとって遊ぶことは大切」と考えている一方で、残念ながら多くの人が「遊ぶことは大切にされていない」と答えています。そして、その溝を埋めるための方策は、未だに明確ではなく、社会として協力できるような体制を取ることはできていません。
TOKYO PLAYは、あらゆる立場の人々が考え、つながり、調べ、情報を共有し、実際に行動を起こすためのきっかけを作り、子どもが遊ぶことが大切にされる有機的な社会の実現を目指します。また、子どもが年齢、家庭環境、人種、障がいの有無、経済的事情などの理由で取り残されることがないよう、すべての子どもが豊かに遊べる東京を実現するために行動します。
代表理事 嶋村仁志