「子どもたちが遊び育つ」を考えて、可能なことをアクションに

政府から全国でのイベント中止に関する要請があり、2/28には文部科学省から全国の自治体や教育委員会に対して、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の臨時休校の通知が出され、それに伴い、多くの自治体で児童館等含め子どもの施設を休館とする動きが出てきました。

今回の新型肺炎については、不明な点も多く、社会全体に「分からないことからくる不安」が大きいこともあり、自治体によって対応が分かれています。東京都内62の自治体のホームページを確認したところでは、政府からの要請にもあるように保育園と学童クラブに関しては長期休み期間と同様の対応となっていますが、放課後子ども教室はほぼ休止になるなど、自由来所の場所については開館/開催不可との判断になっています。その一方で、自治体によっては、児童館や冒険遊び場なども「感染防止対策を施した上で子どもの居場所を確保する」という視点から開館や開園を決定しています。

夏休みの長さにも匹敵する長期休みとなったものの、「感染拡大予防のため、自宅で過ごすことが可能な家庭についてはできるだけ自宅で過ごす」ことが推奨されています。私たちが心配しているのは、制約のある長期休みの中で子どもたちのストレスが大きく、心身共に健康を維持できなくなってしまうことです。子どもたちは、ストレスを感じているとき、「遊ぶこと」を通して、そのストレスを発散し、今起きている状況を自分なりにコントロールする経験をすることで、困難にも負けないレジリエンスを身につけると言われています。「楽しい」と思える時間が確実にあることが、それ以外の時間をポジティブに過ごせる支えともなります。その点が、大人と大きくちがうところであり、子どもにとって遊ぶことが成長に不可欠な所以です。

大人としては、「学校がなくなって、遊んでばかりいて困る」という心配もあるかもしれませんが、こういう時期だからこそ、日常生活の中で遊べることが必要です。一日中でなくてもかまいません。一日のどこかでよいのです。私たちそれぞれができることを通して、子どもが遊び、育つことができる時間を確保していきましょう。

●子どもと暮らすみなさんへ●

1. 屋内でも豊かな遊びを
自宅内だからといって、スマートフォンやゲーム機に頼るばかりでは、保護者としては逆に心配なことも大きいと思います。長期休みであっても、スクリーンタイムの制限は必要でしょう。現在、子どもとの過ごし方に不安を抱えている保護者に向けて、さまざまなウェブページが屋内でも可能な遊び方の紹介をしています。以下、その一つをご紹介します。
動画「遊びのレシピ集」:身近なものからおもちゃを作って遊ぶヒント集(東京おもちゃ美術館とチャイルド・リサーチ・ネット(CRN)の共同制作)

2. 人ごみのない場所を探して外に出よう
WHOでは、2019年に出された提言の中で、1歳までの子どもには「1日数回、いろんな遊びを通した身体活動」、1歳以上の子どもにも「最低3時間以上のさまざまな強度の運動」が必要と書かれています(※1)。これは、体力、運動能力向上だけでなく、本来の身体感覚を整え、脳の発達を促すためにも欠かせないものです。また、睡眠を安定させるホルモンの分泌を促し、視力の低下を避けるためにも、日中にできるだけ日の光を浴びることはすべての子どもに必要とされています。

政府や東京都から示されている新型肺炎に関する情報では、空気感染はせず、すれ違いに感染することはほぼないと言われています(※2)。屋外は、基本的に換気を心配することはありません。人ごみでの近接接触を避けるためにも、手洗い・うがいは欠かさず、ご近所や自然のある公園、河原などで外の空気を吸いに少し出歩くだけでも、子どもだけでなく、大人の心身の健康を守ることができます。

登録制の学童クラブでも、自宅での待機が難しい場合に特例として受け入れる方針を示している自治体もありますが、年齢の大きい子どもであれば、リスクを説明した上で近隣での外遊びに送り出すことも必要になるでしょう。

●子どもが訪れる場をつくるみなさんへ●

屋内外ともに、自治体等からの要請で施設の休館や活動の中止を決定しているところが多くありますが、(自治体とも協議、連携の上で)開館または活動の継続を決定しているところもあります。一方で、未だに活動中止の可否を悩んでいる市民団体もあるようです。それ以外にも、施設の臨時休館やイベントの中止に代わって、地域の保護者の有志などが集まり、土日だけでなく平日にも、感染防止対策をしながらでも公園に集まろうと企画しているところもあるでしょう。

TOKYO PLAYでは、東京都政策企画局からの通達(「都主催イベントの取扱いについて」2/21付)が出た時点から、都内での遊び場運営において、「活動実施の可否に関するアセスメントシート」を用意し、不用意に怖がらず、必要な対策も講じた上で活動を実施する判断をしていました(その後、自治体との協議により3月いっぱいは中止)。

子どもたちが1ヶ月、どこにも行かず、家族以外の人に会わずに過ごすことはまず不可能だと考えています。今後の新型肺炎に関する社会状況の変化にもよりますが、時間が経つにつれて「心身の健康につながる子どもの精神衛生を保つ」活動の必要性が更に大きくなることが考えられます。

もし、みなさんの中で、屋外で子どもが遊べるようにするための活動を継続または始めようとしている方がいましたら、アセスメントシート等で判断項目を洗い出すことで、できることもあるかもしれません。
(参考にアセスメントシートを閲覧したいなどのご要望は、フォームよりお問い合わせください。)

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子どもたちがこの1ヶ月、少しでも健やかな日々を過ごせますように。
みなさまからの意見や情報もお待ちしています。私たちもできることを最大限努めていきます。

一般社団法人TOKYO PLAY

※1:「Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years of age 」より。
※2:厚生労働省ホームページ「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」等参照

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